弁護士 山田訓敬が、遺産分割の前提問題について解説いたしました。第2回は、「遺言書の効力又は解釈」。動画でわかりやすくご説明させていただきました。ぜひ覧ください。

以下、動画の文字起こしを行いました。

皆さんこんにちは、あなたの悩みを思い出に、弁護士の山田訓敬です。
今日は遺産分割の前提問題として、2番目の問題、遺言書の効力または解釈、これについてご説明したいと思います。

遺産分割をするにあたって解決しておくべき前提問題の一つとして、遺言書の効力または解釈の問題というのもあります。

「相続させる」旨の遺言

例えば相続させる旨の遺言、例を言いますと遺産としてAという 不動産、Bという不動産 、Cという不動産、不動産が三つあったとしましょう。

亡くなられた被相続人に相続人である3人のお子さんがいたとしましょう。そうすると亡くなられた被相続人が A の不動産は長男に相続させると書いた遺言書を作っているとしましょう。

B の不動産、 C の不動産については遺言書では何も記載がなかった。こういう場合にはどうなるのかと言うと、Aの不動産はもう遺言書の効力に基づいて長男にそもそも所有権はすでに移転してるという話しになりますので、 B の不動産、Cの不動産を兄弟3人でどういうふうに遺産分割しましょうかという問題になってくるということになります。Aという不動産はもうそもそも遺産分割の対象とならないんですね。

ところがその遺言が無効だったとしましょう。長男が勝手にお父さんになりすまして遺言書を書いてるということがわかったとかいうような場合には、A不動産もやはり遺言書の対象になりますので、その場合にはそのA不動産を含めて ABC の不動産全部が遺産分割の対象になってくるということになります。

遺言の有効性に争いがある場合

あるいは遺言の有効性に争いがあるといった場合、こういう場合にも遺産分割の前提問題として発生してきます。
これは先程の相続させる旨の遺言だけではなくてですね、普通に遺言書がありました、遺言書があったんだけれどもそれが無効だということになったら遺産分割の対象になってくるということになります。

具体例で言うと、例えば先程の事例で三兄弟がいてお父さんが亡くなったという事例を考えて下さい。お父さんが遺言書で全ての財産を長男に相続させるという風な遺言書を作っていたとしましょう。
そうすると次男・三男これは遺留分以外には一切もらうことはできないんですね。遺産分割自体ももうありえません。分けるべき遺産が全部長男に行くように遺言書がなっていますから。

ところがその遺言書自体が無効だという風に判断された場合、その場合には遺産が長男のものではなく、全ての財産が遺産になるということになりますので、やはり改めて遺産分割をして分けましょうという話になってきます。

そういう意味で遺言が有効かどうかというのは、遺産分割をするにあたってその前提問題として解決しておくべきということが言われます。

よく私共が代理人になって遺産分割の調停を行ったりするんですけれども、その中でよくあるのが遺言書がありましたという場合に、いやその遺言書、おじいちゃんが遺言書を作ってたっていう風になった時に、いやその時はもうおじいちゃんは痴呆で遺言能力というのですが遺言書など書けるわけないという風に争いになってきます。

そういう場合はその調停の中で遺言書が有効かどうかというのは争うことはできないんですね。もうそういう争いになった場合には、地方裁判所で遺言書が有効かどうか、これを白黒決着をつけて、その上でもし遺言書が無効だということになったら、家庭裁判所に戻って調停を続けてくださいとそういったふうに言われたりします。

という意味でやはり遺産分割をするにあたっての前提問題として 遺言書、これがちゃんと有効なのかどうか、あるいはその内容はどういうものなのかどうか確定しておくということが必要になってきます。
以上、相続の前提問題の遺言書効力解釈、これについてお話ししました 。